「はい太一くん」 可愛い可愛い本田さんから親友の日上太一に渡された弁当の中身は正体不明の暗黒物質だった。 「………いやいやいや日上食うのそれ」 「食うよなにいってんだよ」 「いやだってそれ弁当じゃないよ。真っ黒だものグラデーションすらないもの」 「俺は焦げてるのが好きだから」 「いやいやいや焦げてるレベル?!これダークマタ―だよ!お前食ったら暗黒面に侵されるよっ」 「俺ダースベー○ー?」 「…ぼく初めてだよ。ひとの弁当見て泣きそうになったの…くっ」 「お前さっきからうるせえな。食えないだろ」 「分かったよ。さよなら日上。君の死は無駄にしない」 「お、言ったな?バカヤロー愛妻弁当は焦げててなんぼだ。愛の熱ってやつだからな」 「熱じゃないよもうそれは比叡山焼き討ちさながらの炎だよ」 「…ったくよお。いっただきまーす」 そしてその日俺の親友は遠くはるか彼方へたびだった。 ******* サブタイトル男子二人の昼休みと暗黒物質。 あえて描写なしの会話文。 料理べたな彼女をもつ親友を生ぬるく見守る悪友でした。 |