ヒメサマのい・う・と・お・り

第7話 サクラ姫とお茶を



 エクルーは持ち前の愛想のよさで、うまく城の厨房に入り込んだ。目的は、例の”石”の情報集めが6割、料理の修行が4割。いや、半々かもしれない。
 とにかく、いくらでも人手の必要なときであったし、女中頭の名前を言って、彼女の旦那の弟のいとこだとなんだのと言って、いつの間にか隅でオケ5杯分のイモの皮をあっという間に剥き、3時間後にはみなに”新入り”と呼ばれ重宝がられていた。

 3時のお茶の準備が済んで、ようやく台所の人間に昼休みの時間が来た。
「新入り、休んでいいぞ。出来はどうだった?」
「見た目はいいみたいだ。ひとつ味見してくれる?」
 エクルーは布巾に包んで粗熱を取っているパンを、パン釜職人の親方に差し出した。
「後で感想聞かせて。じゃあ、メシ行ってきま〜す」

 裏方用の使用人通路からサロンの横手に出たとき、騒ぎが聞こえてエクルーは足を止めた。
 だいたい、前夜祭からこっち、騒ぎばかりなのだ。人のことは言えないが、こんなに素性の知れない男をひとところに大量に集めて、無事に済むわけがない。しかも、この中からムコを選ぶ? エルザ姫がどんな娘か知らないが、心底気の毒だ。だいたい、王室の娘なんて男慣れしてない箱入り娘ばかりだろうに、あんなムダに血の気の多いのや、ムダにフェロモン垂れ流しの発情期のオスなんか、見ただけで怖気を奮うだろうに。

 そう、ちょうどあそこで震えている娘みたいに。
 その娘は、10か11に見えた。表情が幼いがもう少しいってるかもしれない。まっすぐな黒髪が、うつむいたほおをふっさり隠していた。取り囲んだ男達は、その娘がエルザ姫だと思っているようだ。バカな。エルザ姫ってのは16歳じゃなかったのか?
 男どもは、もう、相手が誰だろうとどうでもよくなっているにちがいない。オス同士の張り合いに夢中になって、少女は単なる観客だと思っているようだ。
 しかし、少女の方は、自分の前で、大柄で粗野な男たちが、大声でアピールしあったり、肉体美を誇ったり、血なまぐさい自慢話を披露していることに、怯えきってしまっている。
 その少女の2つ、3つ年上と思われる仕官服を着た漆黒の髪の少年が、大声で制して少女をかばっているが、事態はますます混乱してきた。
 サロンにいた30人ばかりの暇を持て余した男どもが、完全にその少女はエルザ姫だと思い込んでしまった。このバカげたムコ取り合戦に冗談半分で参加しているものもいるが、運命をかけて闇雲に張り切っている輩もいる。とにかく、お互いがライバルで、お互いの存在が邪魔なのだ。きっかけは、誰かがお茶をこぼして誰かにひっかけたとか、どこぞの国を田舎呼ばわりしたとか、そういう些細なことだった。しかし、あっという間に乱闘になってしまった。

 エクルーは、あ〜あ、という感じで、サロンの外から呆れ顔で騒ぎを観察していた。小柄な仕官服の少年が、幼い姫を必死でかばっているが、多勢に無勢。
 もみくちゃにされている。この分だと、あの少女がケガをする。全員、ふっ飛ばしてもいいんだけど、一応、目立たないようにアルに言われてるからなあ。
 あの少女だけ連れて、どっかに飛ぶ? たいがいの人間は、信じたくないことは信じないから、目の前の人間がふっと消えても騒ぎ立てたりしない。でも、
 この城に来てから、気になる視線が2つ3つある。どう気になるかというと、きっと俺がふっと消えるのを見逃したりせず、しかも気のせいだと考えたりしてくれない類の視線だ。ここに、教団の残党がいないと誰が言える? 俺たちが”石”を探しているなら、教団だって探して当然だ。

 あ、ほら、この視線も……。目の端に夕焼けの色が閃いた。
 頭上7mはあろうかという高窓に、鮮やかな紅い色の髪をなびかせた男が鳥のように止まっている。その男は明らかに、エクルーの方をまっすぐ見ている。男は、下の騒ぎにあごをしゃくった。それから、人差し指で自分を指し、その指で弧を描いてサロンの真ん中に向けた。それから、エクルーを指し、そして立ちすくんでいる少女を指した。

 つまり、自分が騒ぎの真ん中に躍り出てかく乱するから、少女をここから連れ出せ、と。
 どうして自分が、この男に信用されたのか、この男を信用する気になったのかわからない。でも、いけそうな気がしたのだ。

 エクルーは手に持っていたトレイを、できるだけ騒ぎから離れた安全そうなテーブルにおいた。そうして、両手をすり合わせるようなしぐさをして、
”じゃあ、始めようか”というように肩をすくめた。

 紅髪の男は、かすかにに頷くと、ためらいもなくサロンの真ん中にひらりと舞い降りた。そうして、騒ぎの中心になっていた、脳みそが筋肉でできていそうな大男を一発でのした。そうして、周りの人間があっけにとられているうちに、その大男と張り合っていた軍服の男も蹴倒した。
 後は再び、乱闘である。

 エクルーは”楽しそうだなあ”とため息をついて、するっと嵩高い男どもの群れに分け入った。そうしてまっすぐに少女のところに行くと、横向きに抱き上げて走り出した。漆黒の髪の少年が何か叫んでいたが、身動きが取れないようだ。せめてもの置き土産に、エクルーは少年にウインクを送った。

 人目につかないところまで少女を引っ張り出すと、”ちょっと目を閉じて”とささやいた。少女は怯え切っているくせに、素直に目を閉じる。”もう、目を開けていいよ”と言われて見回すと、そこは庭の東屋だった。
 あれ? さっきまでお城の中にいたのに。少女は、きょとんとして自分を抱いている黒髪の少年を見上げた。
 少年はそっと少女を下ろすと、「座んなよ。お茶でも飲んで落ち着こう」と言った。

 いつのまにか、東屋の大理石のテーブルにはトレイが置かれていて、3人分のティーセットが用意されている。サクラは辺りを見回して不安そうな声を出した。
「ソ、ソウガさんは…?」
 ソウガ? エクルーは首を傾げてから、ああ、と声を漏らした。
「あの黒髪の彼のことだよね。君の騎士なんだろう? 彼には知らせを送ってある。騒ぎが落ち着いたら、彼も来るから安心しな」
「は、はい…あ、助けてくださってありがとうございます」
 ぺこり、と頭を下げるとどうも。と明るい調子で声が返ってきた。
 あ、このひとはとても善い魔法使いだ。
 サクラはなぜかそう確信すると、急に身体がふうっと楽になる。
 そうして、ぺたんと座ると、さっきの恐怖が戻ってきた。顔から血の気が下がり、身体の震えが止まらなくなる。
 そんなサクラの肩をぽんぽんとエクルーが叩く。次に艶々した黒髪をくしゃくしゃにするまで撫でた。
 その仕草が、よくソウガのしてくれるものと似ていたので、サクラは少し瞳を潤ませた。
 エクルーはうん、と頷いてサクラに何かを差し出す。
 急にやわらかくて温かいものが顔を覆ったので、サクラはびっくりして小さく悲鳴をあげた。
 おそるおそる見ると、甘い、いいにおいの焼きたてパンだった。
「試作品なんだ。味見してよ。どう?」
「…わあ…おいしいです。とてもいい薫り。リンゴと…えっと…カボチャ?」
「当たり。ポルタ・ネグラの名物菓子なんだって。今日、習って初めて作ってみた」
「ポルタ・ネグラは知ってます。でも…こんなにおいしいもの、初めて食べました」
「そう?」
 素直に感嘆するサクラに対して、黒髪の少年が面白そうに笑う。
 サクラは一生懸命温かいパンをほおばった。シュアラは米が主食なので、滅多に食べないのだ。
 だいたい手づかみで者を食べるなんて、初めてだ。焼きたての温かいパンだって初めてである。そして、見も知らぬ男の人と2人でお茶をするのも。
「君、エルザ姫じゃないんだろ? そう、はっきり言っちゃえば、あそこまでの騒ぎにならなかったのに」
 サクラが落ち着いた頃合いを見計らって穏やかな声が降ってくる。少年の声音には責める色はなかったが、サクラはうつむいてしまった。
「それは……」
 エルザを助けるためにカムフラージュになるなら、とか、あの人たちがあんまり一生懸命なので気の毒で、とかいろんな言葉が浮かんだ。
 けれど、あんなに異性に囲まれたのは初めてで、怯えてしまって、毅然と発言することができなかったのだ。
 そうしてあんな闘いに。もしかしたら誰か怪我をしたかもしれない。
「わたし……いつもこうなんです。よかれと思っても……うまく、いかなくて…」
 きゅうっとドレスの生地を握りしめる。白い手がますます白くなった。すると、目の前に湯気の立つカップが差し出された。
「飲んで。効くよ?」
 それは不思議な香りのする甘いミルク・ティーだった。
「効く…?」
「カルダモンとジンジャーはいじけ虫に効く」
「わ、わたしいじけてませんっ」
 ぷうっと頬を膨らませるサクラの顔を楽しげに見つめて、エクルーは腕をのばしてぽんぽんとサクラの頭を叩いた。
「さっきのパン、本当においしかった?」
「とっても」
「”メゲラ・コショネ”っていうパンなんだ。何て意味か知ってる?」
「知りません。どんな意味なんですか?」
「こぶたのお尻」
 サクラは一瞬呆気にとられてから、持っているストールで口元を隠した。肩を震わせて笑っている。エクルーはにこっと笑った。 
「良かった。そろそろ君の騎士が来るから、俺は城に戻る。もう大丈夫だろ?」
「はい。ありがとうございます。あの……お聞きしていいですか?」
「うん?」
 黒髪の少年が身軽に振り返る。
「…お名前は?」
 少年はにこっと笑った。
「エクルー。目がエクルー(うすとび色)だから」
「エクルーさん、は…どうして私に親切にしてくださったんですか?」
 そう問うとエクルーはちょっと返事に困ったようだった。
「あのさあ、あんまり不用意に男にそういう質問しちゃだめだよ」
 きょとん、とサクラはエクルーを見上げる。
「え?」
「そういう質問は、口説く絶好のきっかけになっちゃうからね。君はあの、黒髪の騎士が大事なんだろ?」
「はい、とても」
 素直にこっくりと頷く姫君に、エクルーは苦笑した。
「じゃあ、その気のない男にはそんな質問をしないことだ」
「その気……?」
 顔を見上げて、琥珀の瞳をまんまるくして。サクラは小首をかしげた。
 エクルーは一瞬言葉を呑んでから、先ほどの黒髪の小さな騎士に心から同情した。ああ、恋愛対象どころか異性としても見られていないんだな、と。
 くすくす笑っているエクルーを不思議そうに見上げながら、サクラはふうわりと微笑んだ。まるで雪の上にあたたかく注ぐ春の陽のように。
「でも、あなたは、やさしくて、いい方ですよ? 私を助けてくださいましたもの。」
 呆気にとられてから、エクルーは腹をかかえて笑いだした。驚いたサクラは小首を傾げる。
「それってホメ言葉じゃないよ」
「え…?」
 躊躇うサクラの顔をまじまじと見ながら、エクルーはニッと笑った。
「あ、うれしくないわけじゃないんだ。ありがとう。お礼にさっきの質問の答えを教えてあげる」
 サクラは琥珀の瞳をまるくした。
「君に親切にした理由は……別に君のためじゃないよ」
 そう言うと、サクラはまた小首をかしげた。ああ、そんな顔その気のあるやつの前でしちゃだめだってば。とエクルーは思いながら言葉をつづけた。
「ええと、つまり俺にはずっと好きな女性がいて……でも、もう俺には彼女にしてあげられることは何にもないから……代わりに君に親切にすると、何だかちょっと救われるんだ。だからボランティアだと思って、親切を受けてくれていいよ」
 冗談めかしたのに、サクラは真剣な面持ちでじっとエクルーを見つめている。そして、また柔らかく微笑んだ。
「でも、ありがとうございます。とても嬉しかったです」
 そう言うと、少年は少し寂しそうな顔で笑った。
「君……その女性と黒髪がさらさらきれいなところが似てる。それから、自分のせいじゃないことに、責任感じて落ち込んじゃうところなんかね。君、名前は?」
 サクラは神妙な面持ちでエクルーの話を聞いていたが、名を聞かれると花が咲くようにぱっと笑った。
「サクラです。シュアラ国の……サクラと申します」
「うん。名前も似てるよ」
 ぽんぽんとサクラの頭を撫でてからエクルーはひらりと東屋の囲いを越えた。
「本当に、俺、もう帰る。君の騎士と決闘するはめになりたくない。お茶は彼の分もあるからね。じゃ」
 そう言って、お城の裏庭への斜面を軽やかに駆け下りて行った。サクラはその後姿を見送っていた。
 その背中が急に後ろに引っ張られる。サクラは何となく気配で察知していたので驚くこともなく、息を切らした幼なじみをみた。
「サクラッ…姫!!!!」
「わあ、本当だ。すぐ来た」
 あの方、本当にすごい魔法使いなんですね。
 そんなことをぽやぽや言い始めるサクラに、ソウガは呆気にとられてから、眉間にしわをよせた。
「この…馬鹿!! あいつに何されたんだよ!」
「え…? あ、お茶とパンを頂いて、お話ししたんです。いい方でした」
 ここでソウガの怒りが沸点を超えた。にこにこと笑うサクラの頬を力いっぱいひねりあげる。
「いひゃいいはいっ」
「部屋に戻るぞ」
「あ、だめです。ソウガさんも食べてみてください。パンもお茶もとっても美味しくて、落ち着くんですよ」
 この期に及んで、ふわふわ微笑むサクラに本気で頭痛を感じたソウガは長く息をついた。そして無言でサクラの背中に滑り落ちている絹布を引っ張り、サクラの頭にかける。サクラの顔が半分覆われて、サクラはきょとんとソウガを見た。
「人前……とくに男の前では被れって言われてるだろっ」
 頭ごなしに怒られて、サクラはむっとしたが、すぐにしゅんとした。確かにシュアラ国では皇族や大臣の娘は絹布や扇で顔を隠さなければならないのだ。
 けれど。サクラは少し頬を膨らませてそっぽを向いた。
「でも……ここはカルミノだもん……」
「……へえ。まだ言うの」
 ソウガのこめかみに青筋が浮かぶ。少しだけ危ないかな、と思ったサクラは少し絹布をずらしてソウガだけに顔を見えるようにしてから、にこっと笑った。
「わかりました。お部屋に戻ります。でもお茶とパンは持っていきましょう? お部屋で食べるんです」
「………わかったよ」
 ソウガはがっくりと肩を落とした。この少女の笑顔には絶対に敵わないと確信しながら。

死屍累々と男たちが横たわるサロンの真ん中で、男はほぅ、と息を吐いた。念のため周りを見渡してみるが、幼い姫君の姿も、黒髪の少年軍人の姿もない。

 男はようやく安心して剣を収める。遠くからばたばたがちゃがちゃと、衛兵の走ってくる音がする。いつまでもこの場に残っていて詰問されるなど御免だ。

 男は降りたときと同じように、ひらり、と手すりを飛び越えて再び高台に上がった。とん、と軽やかに着地して、ふと気づく。

 高台の正面に、人が佇んでいた。

「やあ、どうも」
「……」
黒髪に薄鳶色の瞳をにこやかに細めた長身の男が、作業着のポケットに手を入れたまま立っていた。一瞬、誰だか分からなかったが、ああ、そういえば先ほど救出を求めた男だった。容姿など特に気にも留めていなかったから忘れていた。
「一瞬で上がってくるなんてすごいね。そうは見えないけど、君も魔術師?」
「……俺は魔術やら魔道は一切使えない」
 黒髪の男はひゅう、と短く口笛を吹く。
「じゃあ、ほんとに身体能力オンリーなんだ。すごいもんだな」
「何か用か? 礼なら出すつもりはないぞ」
「いや、別に。そんなことを思っちゃいないさ。ただ、何で俺が協力させられたんだろう、と思ってさ」
「……」
 紅毛の男は煩わしそうにふぅ、と息を吐く。黒髪の男――エクルーはきゅ、と唇を上げた。

「あの騒ぎの中で一番まともそうな顔をしていたからな。それに動揺一つしていなかった。
そういう変わった神経の人間なら、何とか出来ると思ったまでだ」
「初対面の人間に酷いなぁ。確実に褒めてないよ、それ」
「褒めるつもりなど毛頭無い」
 間髪入れず、入った男の一言にエクルーは『酷いなぁ』と重ねる。
「って、でも俺が聞きたいのはそうじゃないんだよ」
「……だったら何だ?」
「何であんた一人で助けに入らなかったんだろ、って」
「……」
 紅髪の男の表情が見るだに不機嫌になる。これは失言だったかとエクルーは、一度は口元を抑えるが、まあ機嫌の良い話なわけはないよなと思い直す。
「結局、あの娘に群がってた奴らはあんた一人で倒しちゃったみたいだし。最初から一人で助けに入ってもあんまり変わらなかったんじゃないか、ってさ。
それに、一応、俺だってエルザ姫の婿候補合戦にエントリーだけはしてるんだ。そんな男に攫わせるなんてさ。
まあ、あの娘が16歳の女の子に見えるほど、目は節穴になってないつもりだけど」
「……」
「あんた、あのちっちゃいお姫様と知り合いなのか?」
「……」
 紅髪の男は不機嫌な面を下げたまま無言を貫いた。エクルーは「うーむ」と唸って腕を組む。
「……まあ、いいや。俺だって他人の事情に土足で踏み入るほど馬鹿じゃない。何かの事情であのお姫様に自分だと気づかれたくなかったんだ、って勝手に解釈しておくよ」
「……最初からそうしろ」
「きっついなぁ。そうだ」
 思いついてエクルーは残っていたパンを片手に差し出した。
「今日の俺の試作品なんだ。あんたもどう?」
「……“メゲラ・コショネ”か」
「何だ。よく知ってるな」
 エクルーにしてみれば、多少の空気の緩和にはなるかと思った好意だったが、紅髪の男はますます表情を険しくさせるだけだった。滑ったかな? と懸念していると、男から「遠慮しておく」の一言が返って来た。
「何で?」
 何となく自分の作品が突っぱねられたのが納得いかなくて、思わず問いかけた。
 男は無言ですたすたと反対側の高台の端まで行くと、手すりに手をかけて、
「……カボチャは苦手なんだ」
 ぼそりと一言だけを残して手すりを飛び越える。エクルーは一瞬後にそれを理解し、一人で少しだけ噴出して笑ってしまった。





 
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